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ケミトロニクス事業部 技術部 S.S.

  • ケミトロニクス事業部
  • 技術部

2015年入社 理学研究専攻 S.S.

塗料を、化学を、極めていく。
いつまでも開発をし続けるプレイヤーでありたい。

日常生活で使われる製品、そのほとんどで塗料は使われている。世の中のよく目にするものを開発できる喜びや、事業部を超えて活躍できる可能性のある化学の魅力について、熱量を持って思う存分語ってもらいました。

Q 1現在されている仕事について聞かせてください

私の仕事は塗料の開発。現在3つのテーマを抱えており、その中でもあと少しで完成となるのが二酸化炭素の排出量を抑える植物由来塗料です。開発において苦労したのは性能部分。植物由来の油からつくった塗料はそのままだと品質を保てません。例えば日焼け止めクリームや食用油脂などが塗装面について熱に反応すると塗料が変化してしまったりするなど数々の問題が生じます。植物由来でありながら品質を担保するためにトライ&エラーを繰り返しながら、ようやく完成間近までたどりつきました。化学の仕事を選んだのは、中学生の頃から物質を反応させて別なものを生むことが好きだったから。学生時代は理学部化学科に進学し発光材料の研究をしていました。サイエンスショーの催しをする団体に所属し、近隣の小学校や日本科学未来館で科学実験ショーをするなどしており、そのまま化学の研究開発の仕事に就くことになったという経緯です。

Q 2オリジンを選んだ理由を聞かせてください

4つの分野に事業展開しており、様々な研究開発に触れられると考えて志望しました。4つもの分野を抱える会社は少ないのではないでしょうか。私のフィールドである化学はエレクトロニクス事業部で使われる絶縁体や、メカトロニクス事業部の液晶用の樹脂など多くの分野に関わりがあります。化学を使って横断的に何かができる可能性を感じたのです。実際に2年目から他事業部とのコラボレーションも行っています。私のキャリアの流れをお話ししますと、1年目は塗料の改良を行う技術課に配属。学生時代に塗料を学んでいないので毎日が勉強でした。1年目の後半から2年目は営業の方からの依頼を受けるようになり、本やネット、先輩から教わりながら実践を積んでいきます。3年目あたりからある程度のことはできるようになり仕事がしやすくなった感覚がありますね。その後、5年目に開発課へ異動。改良ではなく新塗料の開発業務へと変化していきました。

Q 3仕事で嬉しかった出来事を聞かせてください

私が改良した塗料が競合他社よりも価格が高かったにも関わらず、お客様に有用性を感じていただき採用に至ったことです。そのときのゴールは2つの違う性質のプラスチックに塗れる塗料に改良すること。最初はとてもじゃないけれど、そんな塗料は実現できないと思えるほど難しい課題でした。一般的に改良は1ヶ月〜3ヶ月ほどで終わるのですが、1年ほどかかりました。様々な塗料の元となる素材を試したけれどもうまく行かず行き詰まっていたときに、課長が見つけてきた素材を元にさらなる試行錯誤を重ねていき、どうにか完成に至りました。オリジンには堅苦しい雰囲気がまったくなく、みんな親身に相談を聞いてくれます。「こんな些細なことを聞いていいのかな」「誰に相談すればいいんだろう」と思ったことは一度もありません。このときも課長と話をしたことで光が見えてきたわけで、オリジンの風土があったからこそですね。

Q 4この仕事のやりがいは何ですか?

塗料は世の中の多くの場所で目にすることができるのでそこが嬉しいですね。このイヤホンのこの部分の塗料は自分が開発したんだよとか、このゲーム機のここの塗料も自分が関わっているんだよと軽く自慢することも(笑)。以前先輩から「塗料は塗られることで完成する」と言われたことがありました。塗料はお客様が塗装をする製品の素材や形状、デザイン、塗装環境に合わせてつくらなければなりません。実際に塗料を使うお客様から綿密にヒヤリングをして開発し、実際に使用する用途で塗ってみて問題がないとなった時点で初めて完成なのです。ここが難しいところであり、面白いところ。ニーズに応えることはすごく面白い。私は5年後10年後もお客様や世の中のニーズを満たす製品を作り続ける開発者でありたい。生涯いくつの製品を生み出せるかわかりませんが、とことん開発を突き詰めるプレイヤーであり続けたいと思っています。