(a)静止時
当社では、各種製品のさまざまな要求に応えるため、シミュレーション技術を活用して、 品質の高い製品設計や、さらなる性能向上を目指した製品開発に取り組んでいます。
当社主力製品の1つであるトルクリミッタは、コピー機やプリンタの紙送り部の重送防止機構などで使用されている、摩擦を利用したトルク制限機構です。ここでは、内部機構で重要な役割を担うコイルの挙動と応力分布に注目しています。
解析により、負荷が最も掛かる場所の特定や、その応力が許容値か検証することで、製品の品質向上に寄与しています。
トルクリミッタの構成
(a)静止時
(b)内輪回転時
発生する応力は,コイルの外側よりも内側の方が大きく、静止時(a)は,応力集中箇所は全体に点在しているのに対して、内輪回転時(b)は,静止時と比較して応力集中が端部に見られる。
インクや樹脂の硬化に用いられるUVランプ向けLLC 型共振コンバータ方式高圧電源の開発において、従来機と同サイズで1.6倍の電力密度を実現するため、熱流体シミュレーションを用いた熱設計を実施しました。
(a)対策前
(b)対策後
部品温度や風の流れを可視化し、通風孔の追加や強化を設計段階で検討することにより、設計目標(高温部120℃)を達成。
当社では、機械/電気特性、熱分析、形態観察、化学構造/元素分析、膜厚/光学特性、クロマトグラフ分析などの各種分析装置を活用し、新製品開発や既存製品の高性能化、製品の品質維持に努めています。
生産装置内で、製品に異物が付着するという問題が発生したため、異物のFT-IR分析から成分を明らかにし、発生源を特定することで対策に至りました。
フーリエ変換赤外分光度計(IR Tracer 100)
FT-IR スペクトルデータ
(上)装置内異物 (下)ライブラリデータ
当社製品におけるはんだ接合部のSEM観察により、接合品質の管理・維持に努めています。
走査電子顕微鏡(JSM-7100F)
はんだ接合部のSEM画像
金属表面の酸化被膜を還元ガスで除去する際の、酸化膜厚の時間変化をエリプソメーターにて測定しました。ここで得られたデータを装置開発に生かしています。
分光エリプソメーター (M-2000)
還元ガス暴露時の酸化膜厚のin-situ観察