中国経済の減速や、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、昨今では中東情勢が更に緊迫度を増し、それに米国トランプ関税など、世界情勢は依然として不透明感が高まってきています。また国内では、資源・エネルギー価格の高騰や円安などの影響による物価高もあり、今後の景気回復は予断を許さない状況です。
オリジングループでは、2022年4月からスタートさせた5ヵ年中期経営計画(Change&Growth2026)が終盤を迎えています。その中では技術のオリジンとして『変革』と『成長』をテーマに掲げ、『ニッチ・トップ』を目指して、技術の優位性によりお客様の戦略的パートナーになれるよう、事業活動を推し進めております。「事業」「技術」「営業」「カルチャー」「コスト構造」「コミュニケーション」の『6つの変革』に取組んでおりますが、メカトロニクス事業や海外事業の落ち込みなどにより、2025年3月期は営業利益及び親会社株主に帰属する当期純利益が2期連続の損失となり、「本業における利益率の改善」が最重要課題と捉えております。
こうした状況を踏まえ、2026年3月期の事業戦略として、中期経営計画においてスピード感を持った「変革」と「成長」を実践していくことが必要であり、中でも「稼ぐ力を高める」、「構造改革を推進する」の2つのテーマに注力してまいります。「稼ぐ力を高める」ために、新製品開発・販売の強化及び既存製品の早期横展開を進め、また生産の効率化、自動化を推進することで、売上と粗利益を伸ばし、ニッチ・トップを目指した成長戦略を加速化させてまいります。「構造改革を推進する」ために、事業ポートフォリオマネジメントの実践として、コンポーネント事業を中心とした成長分野への資源配分を進め、不採算事業からの撤退や縮小を行い、当グループに見合った事業構造への転換を加速させてまいります。
世界の技術分野は生成AI技術などでも分かるように、急速な技術革新が進んでおり、事業環境の変化のスピードは一段と加速しております。このような中、オリジングループは、他企業との連携による「POCHAシリーズ」の多用途化を進め、パワーバックドア用トルクリミッタの更なるシェア拡大、カーボンニュートラルに貢献する製品強化、売れる新製品の創出を推進してまいります。引き続き『成長』に向けて「デジタル技術の積極的な活用(DX)」「コア技術を基盤とした事業領域の拡大」など、全社員での取組みに挑戦してまいります。
ステークホルダーの皆さまにおかれましては、今後も変わらぬご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
取締役上席執行役員 CSO
内藤佳彦